音羽山 清水寺

 
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よだん堂

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観音さまの時間で臨み、人の時間で今日を成す ―東山の環境危機と未来―

清水寺の境内は、あるがままの自然と「見せる工夫」の両立がポイント

当山の環境にお話を移せば、清水山(音羽山)の中腹に立地するため、境内は急斜面や石垣が多いのが特徴で、維持には斜面ゆえの難しさがあります。奥の院から子安塔へ向かう途中には、平成12年(2000)に、ご開帳を記念した1000本の桜が奉納によって植樹されましたが、華やかなソメイヨシノではなく山桜です。昭和9年(1934)の室戸台風による大規模な土砂崩れの経験から、よりしっかりと根を張り、土が崩れるのを防いでくれる山に適した種類であること、また、失われた京都の里山の風景をよみがえらせたいという想いから選ばれたものです。

樹木の管理についていえば「あるがまま」がポイント。枯れてしまったり、病気になった古木を植え替えることもありますが、基本的に同じ種類を選んでいます。これは景観を変えないためというよりも、山内の樹木は自生のものが多いため、その場所の自然環境を守ることが大きな理由です。新たな場所に植樹する際も、高田先生が実践されている「適地適木」のルールを大切にしています。地盤や土壌、日当たり、そして斜面にあう木を育てることが、結果、斜面を守ってくれる。自然に学び、習うことが、やはり一番うまく機能するのではないでしょうか。

一方で、多くの参詣の方をお迎えする以上、「見せる工夫」もまた重要。「清水の舞台」はもちろんのこと、それ以外では、当山の玄関口となる仁王門から石段の眺めと、南苑の眺めに特に気を配っています。玄関は、長い門前の坂道を上がってこられた方々の疲れが飛ぶような、晴れ晴れとした景色が広がるように。南苑の池は、諸堂のお参りを終えて最後に通る場所ですので、お心持ちを映すような静かな水面を楽しめるように。それぞれの場所で、ただ美しいだけでなく、樹木や草花を通して、季節や時間のうつろいを感じていただければと思っています。

境内の斜面に咲く千本桜、錦雲渓を彩る1000本のもみじ、新たに植えた苗木のひとつひとつに、人間の寿命をはるかに越える命があり、当山も、高田先生のように、50年、100年先も多くの方に「お参りに来てよかった」と思っていただける清水寺の姿をイメージしながら、環境づくりに取り組んでいます。
今日、成したことが正しかったか、誤りだったか、結果は肉眼では見ることができないかもしれませんが、長く、広い目で未来を臨み、今なすべきことを見つけ、行いを積み重ねるのみ。人の時間でかなわぬことも、観音さまの時間なら、きっと可能なことなのだ。と、信じています。

■京都伝統文化の森推進協議会では、一般の方も参加が可能なセミナーや、森を守るイベントを開催しています。ご興味のある方はこちらをご覧ください。

■高田先生の活動は、FacebookNPO法人森林再生支援センターサイト

清水坂を上った先に広がる、当山の玄関口、仁王門。
馬駐の脇に立つ桜は樹齢およそ50年。毎年、散り際も見事な眺めです。
音羽の瀧から南苑へと続くもみじの並木も手入れが欠かせません。
清水の舞台の周囲には、樹木だけではなく季節の草花も。春にはシャガの群生が、秋には彼岸花が花をつけます。

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