Vol.1 清水の舞台から飛び降りた!?

理由は決死の願掛け


清水寺遊楽図屏風から、舞台の部分。(アップ)

235件もの飛び降り事件は、なぜ起きたのでしょうか? 自殺志願と思われがちですが、これは全く逆の理由。清水の観音さまに一心に祈って飛ぶと、命も助かり願いも叶うという迷信による、願掛けだったのです。
奇跡的な生存率の高さのせいか、衝撃的な行動のせいか、この迷信は市井の人々に篤く信じられ、江戸時代に大流行した観音信仰とあわせて日本全国に広まっていきました。
歌舞伎や浮世絵、川柳などにもこの「飛び降り」を扱った作品が数多くあり、『東海道中膝栗毛』の中には、おなじみ弥次さん喜多さんが、お坊さんから「当山では昔から、観音さまに願をかけて舞台より飛び降りる人がいるが、怪我をしないという、ありがたいところなのです」と、お話を聞いているシーンが登場します。
歴史やフィクションはさておき、現在の当山の僧からは、「絶対に飛び降りないでください」と、皆さんにお願いしておかなければなりません。国内外からの参詣者でにぎわう境内です。ご自身の安全はもちろん、他の方まで巻き込んで怪我をさせないよう、重大な決心は心の中で。ゆめゆめ行動に移されないように、お願い申し上げます。合掌。

(参考文献 横山正幸氏著『京都清水寺さんけいまんだら』清水寺発行)

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