Vol.1 平成によみがえった都の霊場巡り「洛陽三十三所観音巡礼」(2013.0425)

観音さまを介して生まれたネットワーク。


写真は「洛陽三十三所観音霊場」オリジナルの納経帖。最近では霊場巡りの人気に伴い書店などでもさまざまな納経帖が販売されているようです。「マイご朱印帖」と呼んで持ち歩かれる若い女性も少なくありません。


写真は当山の納経所。当山では5つの札所のご朱印をここで押印するため、お参りが後になる札所もありますが、そのほかのお寺では、参拝後にご朱印をお受けになることをお勧めします。


ご朱印とは本来、ご自身が行った写経を納めた証でした。どの寺院でも住職や職員がひとつひとつ手書きしています。


当山本堂のご朱印。中央の「大悲閣」は慈悲の仏である観音さまのいらっしゃる所という意味があります。右に日付、左に札所名が記載されます。

たくさんの参詣者との出会いに加えて、喜ばしいことはもうひとつありました。この再興を機に、これまで交流のなかった寺院や僧侶とのご縁が結ばれたことです。
発起人会から正式に「平成洛陽三十三所観音霊場会」となった33カ寺は、観音さまを介してひとつのネットワークで繋がり、さまざまな意見や情報を交換し合えるようになりました。
そして長い歴史の中で何度も途絶えながらそのたびに復興してこられたのは、観音さまへ寄せる多くの方の信心と平和があるからこそ。同会では1年に1回、1カ寺に集い「報恩巡礼法要」を行って、すべての出会いと繋がりに感謝し、人々の心の安寧と、平和な世が続くよう祈りを捧げています。


最近、霊場巡りが静かなブームとなっていることもあり、ブログや口コミでお参りに来られる若い方や、外国人の方も多くお見かけするようになりました。
中には、スタンプラリーのようにご朱印だけを受けて帰られる方もいらっしゃいますが、どうぞお参りを先にされてから納経所へお越しください。
また、33カ寺には秘仏の観音さまもおられるため、すべてのお姿を参拝いただけませんが、「見る」ことにこだわらず、お手を合わせて心を安らかにするという、参拝本来の目的を大切にしていただきたいと考えています。


信仰の道として、また京都観光の新しい魅力として、徐々に定着してきた「洛陽三十三所観音巡礼」。
コンパクトにまとまった札所は、昔の人と変わらない徒歩での巡礼が気軽にでき、歩いて巡るからこそ、ゆっくりとお参りできることが魅力です。路地や辻の風情も心和む楽しみの一つ。
慌ただしい日常を離れ、観音さまの前でご自身の心と向かい合う、そんな静謐なひとときをもっていただければ幸いです。


洛陽三十三所観音巡礼と各札所については、公式WEBサイトに詳しく紹介されています。
https://www.rakuyo33.jp/

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