Vol.1 名勝「月の庭」をもっと楽しむ 成就院大特集(2011.1128)

歴代住職の心を癒した、月の庭


庭園の面積はそう広くはありませんが、音羽山の斜面を利用し、奥深く壮大な視覚効果を演出しています。


豊臣秀吉の寄進と伝わる「誰ガ袖手水鉢」。


「蜻蛉灯籠」。月照上人が「夕やみの庭の木かげにかげろうふの あるかなきかの火影(ほかげ)さびしも」と、歌を詠まれています。


烏帽子姿の貴族が会釈していることから「烏帽子石」と名付けられた奇石。衣をつけた僧が西を向いて合掌しているとも言われます。

広間に上がると、眼前に現れるのが、成就院庭園「月の庭」。室町時代に活躍した画家・美術鑑定家の相阿弥(そうあみ)が造り、のちに江戸時代の名造園家小堀遠州が補修したとも、俳人歌人として名高い松永貞徳の補修とも伝わっています。

庭園はもともと散策して楽しむ回遊式庭園でしたが、現在の姿は、広間や縁側から座って鑑賞するのが最も美しく見えるよう計算されたもので、江戸時代初期の代表的な借景式庭園として、国の名勝に指定されています。

五葉松、侘助椿の銘木と、美しく刈り込まれたサツキなどの樹木の中に、珍しい形をした石や灯籠が配置され、それぞれ名前が付けられています。受付で庭園の案内図をお渡ししておりますので、一つずつ探しながらご覧いただくのも一興です。

縁側左の「誰ガ袖手水鉢」からは水音が、庭園奥の音羽山からは野鳥の鳴き声が、耳を楽しませてくれます。境内の賑わいとは対照的な、静かな清水寺の魅力を楽しんでみてはいかがでしょう。

また、この成就院は、1983年まで清水寺の中興の祖・大西良慶和上がお住まいになった建物で、表札の墨書も和上の手によるもの。内部にもさまざまな書が掛けられています。お庭の鑑賞の後は、書額もお見逃しなく。

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