Vol.1 「老と死」に向き合い今日を考える―老人ホーム同和園探訪

看取り―「今日という1日の大切さ」を考える。


葬儀や法要が行われるお御堂は、イベントなどにも利用される明るい集いの場でもあります。


一般の利用もできるカフェ「倶会一処」は地域の方々にも人気のランチスポット。パーティなどに利用されることも多いのだとか。


竹林の坂道が、街の喧騒から「同和園」を守っているようです。


小さなお地蔵さまに見守られて。

同和園には、ベストセラー『大往生したけりゃ医療とかかわるな』の著者である中村仁一先生が所長を務められる付属診療所があり、先生の提唱される「穏やかな自然死」で、数多くの方を看取ってこられました。死期が近づくと、人は食事も水も受け付けなくなり、その後だいたい2週間くらいで息を引き取るのだそうです。この看取り期に入った人に対して無理に食べさせたり、胃に穴をあけて流し込んだり、点滴を施したりといった延命措置は行わないのが同和園の終末介護です。「死にゆく人の邪魔をしない」、「死にゆく人に無用の苦痛を与えない」という姿勢は、最後まで人間らしく生きたいと考える多くの人々の共感を呼んでいます。

毎年約60人もの方を見送られるという同和園。橋本園長は「亡くなる直前まで元気で積極的に生き、そして自然に食欲がなくなって、最後の時を穏やかに迎えられれば一番」とおっしゃいます。
また、「今日の延長線上に必ず死がやってくるのです」との言葉からは、いかに「死」を身近な存在に感じておられるかがわかります。

三世代、四世代の大家族が一緒に暮らし、自宅で亡くなる方が多かった昔に比べ、現在、私たちの日常生活の中では、「老い」も「死」も遠くの出来事となってしまいました。 しかし、どんなに遠くても私たちは誰一人の例外なく、いつか老いて死んでゆきます。この自然の摂理をあたりまえに受け止めることで、今日という1日をどう生きるべきか、どう生きたいかが見えてくるかもしれません。

取材協力:社会福祉法人「同和園」 http://www.dowaen.jp/

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